第1戦 富士スピードウェイ
WAKO’S 4CR GR Supra
#14 大嶋和也 / 坪井翔
大嶋和也 選手
坪井翔 選手
レース情報
公式予選結果 | 11位 |
---|---|
決勝結果 | 3位 |
霧のため短い走行時間となった公式 練習が行われた7月18日(土)から一 夜明け、SUPER GT 第1戦富士は7月19日(日)の予選 / 決勝の日を迎えた。 前日は公式予選が行えないのではないか......という天気予報も出ていたが、夜のうちに予報は好転し、この日の朝は曇り。
路面はまだ濡れてはいたが、午前9 時 30 分からの公式予選 Q1 を前にして、晴れ間も出てほぼドライに転じていた。
走行初日に手ごたえを得ていた TGR TEAM WAKO'S ROOKIE だったが、実はこの天候の好転が、思わぬトラブルに繋がっていた。チームは前日、予選がウ エットコンディションになるのではないか......と予想し、公式練習でマーキングしていたタイヤを数多く使ってしまっていたのだ。できればニュータイヤで 予選アタックは行いたいが、本数、種類等さまざまな条件を考えると、Q1 では 一度アタックで使ったタイヤを選ばざるを得なくなってしまった。
午前10時03分からスタートした GT500 クラスの Q1 で、WAKO'S 4CR GR Supra のステアリングを握ったのは坪井翔。タイヤのハンデを跳ね返してくれ るはず......というチームの期待を背負い、坪井は WAKO'S 4CR GR Supra をアタックラップに突入させる。
しかし、トップドライバーが集い毎戦激戦となる SUPER GT では、やはりそれほど甘くはない。坪井は1分27秒452 というタイムをマークするが、Q1 突破が可能な8番手のタイムまであとコンマ1秒足りず、11番手。Q2 に控えていた大嶋和也には繋げることができず、そのまま 11 番手から決勝レースを 迎えることになった。
とはいえ、WAKO'S 4CR GR Supra のパフォーマンス自体は悪くない。予選後一時曇り空が広がったが、午後2時40分からのウォームアップを迎える頃にはふたたび晴れ間が広がり、夏の暑さが戻ってきた。ここで大嶋が WAKO'S 4CR GR Supra のフィーリングを確認し、午後3時からのレースを迎えた。
今回スタートドライバーを務めるのは大嶋。1周のフォーメーションラップを終えて切られたスタート直後、大嶋は WAKO'S 4CR GR Supra のフィーリン グを再確認。追い上げを目指し気合を入れ直す。しかしその直後、後方で#12 GT-R と#64 NSX-GT がクラッシュ。コースサイドにストップしたため、早くも2周目にセーフティカーが導入された。
リスタート後、大嶋は11番手を守 っていくが、好調な WAKO'S 4CR GR Supra のフィーリングとともに、 まずは8周目に#23 GT-R をオーバーテイク。さらに 11 周目には#3 GT-R も抜き、9番手に浮上する。 さらに22周目、#16 NSX-GT がピ ットインし、このタイミングで #39 GR Supra もかわし一気に7番手まで浮上した。大嶋の進撃は止まらず、25周目には2台の NSX-GT がピットインすると、僚友 ZENT GR Supra に続く5番手まで順位を上げた。
大嶋は29周目までドライブし、2番手を走っていた #36 GR Supra と同タイ ミングでピットに向かう。チームにとっては初のピット作業だったが、ミスなく交代した坪井をコースに送り出すと、前を行く#8 NSX-GT に狙いを定めてい く。
そんななか、36周目に GT300 クラスの #360 GT-R が接触によりスピンを喫し、13コーナーのコース中央でストップを喫してしまったため、セーフティカ ーが導入される。好フィーリングの坪井にとって、前とのギャップが詰まるの はチャンスだ。
43周目のリスタート後、まずは #8 NSX-GT を TGR コーナーでオーバーテイ ク。坪井は5番手に浮上する。さらに今度は、前を行く ZENT GR Supra、さらに #100 NSX-GT も接近し、三つ巴のバトルとなっていく。勢いに乗る坪井は、48周目のパナソニックコーナーで ZENT GR Supra のインを突くと、続く49周目のTGRコーナーで4番手に順位を上げた。
さらに坪井は、今度は3番手の #100 NSX-GT に狙いを定めると、51周目のストレートで #100 NSX-GT、ZENT GR Supra とのバトルに持ち込み、ふたたびTGRコーナーで #100 NSX-GT をパス!これで表彰台 圏内に浮上した。
猛烈な追い上げをみせる坪井は、今度は2番手の #36 GR Supra にも接近していき、チャンスをうかがうが、最後は仕留めきれず、そのままチェッカーを受けた。
とはいえ、TGR TEAM WAKO'S ROOKIE にとって最初のレースで、まずは嬉しい3位表彰台だ。予選結果を考えれば会心のレースと言える。チームスタッフはみな、安堵の笑顔で開幕戦を締めくくった。
大嶋和也選手のコメント
坪井翔選手のコメント
「公式予選ではどのタイヤを選ぶのかすごく迷ったのですが、結果的に一度アタックを していたタイヤを選ばざるを得ず、厳しい状況でしたが、なんとかQ1を通ればポールポジションに繋げるチャンスがあると思いアタックしました。ただ、そこまで甘くはなく、自分でもなんとかできたと思う部分もあっただけに、悔しい予選になりました。 僕たちは決勝の方がパフォーマンスがあると思い、切り替えて臨みましたが、大嶋選手も順位を上げてくれましたし、十分チャンスはあると思っていました。 セーフティカーのタイミングもよく追い上げることができ、バトルにもうまく対処できましたし、3位まで上げることができました。2位を抜けなかったので悔しい部分もありますが、11 番手スタートを考えれば上出来かな......と思っ ています。でも、まだ優勝の経験がないので、早く表彰台の頂点に立ちたいで すね」
高木⻁之介監督のコメント
「公式予選では一発のタイムが出せませんでしたね。あれでグリッドが良ければもっといい結果に繋げられるとは思いましたが、決勝レースは温度も上がりましたし、自信があっただけに不安はありませんでした。予選11番手から表彰台で終わることができたので、良かったのではないでしょうか。今回 GR Supra 勢のなかではタイヤの種類もバラバラだったので、3週間後の次戦に合わせたタイヤをしっかり選び、次戦に向けて予選でももっと上位にできるようにしたいですし、そうすればレースでもさらに上位にいけるのではないかと思ってい ます」
Rank | Car No. | CarName | Q2 Time | Q1 Time |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 1'26.550 | 1'27.052 |
2 | 8 | ARTA NSX-GT | 1'26.665 | 1'26.433 |
3 | 36 | au TOM'S GR Supra | 1'26.794 | 1'27.409 |
4 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 1'26.905 | 1'26.937 |
5 | 38 | ZENT GR Supra | 1'27.352 | 1'27.308 |
6 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 1'27.397 | 1'27.356 |
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 1'27.439 | 1'27.022 |
8 | 16 | MOTUL MUGEN NSX GT | 1'28.085 | 1'27.306 |
9 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 1'27.421 | |
10 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 1'27.435 | |
11 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra | 1'27.452 | |
12 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 1'27.697 | |
13 | 64 | Modulo NSX-GT | 1'27.816 | |
14 | 12 | CALSONIC IMPUL GT-R | 1'27.968 | |
15 | 24 | REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R | 1'28.137 |
Rank | Car No. | CarName | Laps | Best Lap Time |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 66 | 1'29.086 |
2 | 36 | au TOM'S GR Supra | 66 | 1'29.351 |
3 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra | 66 | 1'29.601 |
4 | 38 | ZENT GR Supra | 66 | 1'29.587 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 66 | 1'30.313 |
6 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 66 | 1'29.478 |
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 66 | 1'30.517 |
8 | 8 | ARTA NSX-GT | 66 | 1'29.619 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 66 | 1'30.609 |
10 | 24 | REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R | 66 | 1'31.191 |
11 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 65 | 1'30.611 |
12 | 16 | MOTUL MUGEN NSX GT | 63 | 1'30.133 |
13 | 64 | Modulo NSX-GT | 62 | 1'31.371 |
17 | KEIHIN NSX-GT | 28 | 1'29.783 | |
12 | CALSONIC IMPUL GT-R | 0 |
「公式予選ではQ1を突破できませんでしたが、予選がドライではない......と踏んでタイ ヤを使ってしまっていたので、坪井選手には申し訳ないことをしてしまいましたね。でも、クルマが悪い状態ではないのは分かってい ましたし、決勝に向けて切り替えて挑みました。レースではやっぱりスピードもありましたし、表彰台には届くことができたので良かったと思います。とはいえ、優勝するにはクルマでも戦略の面でも足りない部分があったと思います。チーム最初のレースで表彰台をとれたのは 素直に嬉しいですし、関係者からも祝福のメッセージがいっぱい届いています。 どうせなら優勝が良かったですが、今後もっと強くなりながら、優勝目指してがんばっていきたいですね」