第1戦 富士スピードウェイ
ZENT GR Supra
#38 立川祐路 / 石浦宏明
立川祐路 選手
⽯浦宏明 選手
レース情報
公式予選結果 | 5位 |
---|---|
決勝結果 | 4位 |
霧の影響もあり、想定よりも短い時 間で慌ただしく ZENT GR Supra の確認を強いられた7⽉18⽇(⼟)の公式練習から⼀夜明けた7⽉19⽇(⽇)。
⼼配された荒天はなく、SUPER GT 第 1 戦富⼠の決勝⽇は早朝は曇天、そして少しずつ雲が切れ、ひさびさの晴れ間が⾒えはじめるなかで迎えた。
TGR TEAM ZENT CERUMO にとっても待望の晴れ模様だ。
この⽇は午前9時30 分からGT300 クラスの公式予選Q1 がスタート。午前 10 時03 分からGT500 クラスのQ1 が始まった。TGR TEAM ZENT CERUMO は、Q1 のアタッカーを⽯浦宏明に任せた。まだGT300 の予選Q1 時は濡れてい る部分もあったため、タイヤ選択を悩む部分もあったが、ソフトめのタイヤを 履いた⽯浦はまず1分34秒台から1分31秒台に縮め、アタックに⼊っていく。 ⽯浦は5周め、1分27 秒308 というタイムをマークし、5番⼿につけQ2 に控 える⽴川祐路に繋いだ。
GT300 クラスのQ2 をはさみ、迎えたGT500 クラスのQ2。ZENT GR Supra のコクピットに乗り込んだ⽴川は、タイヤを温めながらペースを上げ、⽯浦と 同じく5周⽬に1分27 秒352 といいうタイムをマークしてみせた。ただ、ライバルは1分26 秒台に突⼊しており、いまひとつハードめのタイヤのフィーリン グが良くなかったZENT GR Supra の順位は5番⼿。決勝を⾒すえ悪くない位置 ではあるが、もうひと声伸びが欲しい。午後3時からの決勝を前に、TGR TEAM ZENT CERUMO はさらなる改良をZENT GR Supra に加えた。
午前中は晴れ間も広がったものの、昼 すぎには雲が出はじめ、迎えた午後2時 40 分からのウォームアップ。ZENT GR Supra はふたたび立川がコクピットに乗り込み、レースに向けたセットアップの確認を行っていく。その間にふたたび晴れ間も広がり、今度は初夏の陽気が富士スピードウェイを包んだ。
ZENT GR Supra のスタートドライバーは立川。今回はパレードラップもなく、1周のフォーメーションラップのみでスタートが切られていく。
立川は5番手をキープし前を追うが、後方で #12 GT-R と #64 NSX-GT がクラッシュ。コースサイドにストップしたため、早くも2周目にセーフティカーが導入された。
レースは6周目にリスタートが切られ、立川は前を走る4番手の#36 GR Supra を追っていく。本来、立川のレースは序盤からひとつずつポジションを 上げ、トップを狙っていくもの。ただ、この日は5番手を守ってはいるものの、 ポジションは変わらず。17 周目には前を走っていた#8 NSX-GT を見事にオーバ ーテイクし4番手に浮上したが、トップ3とはやや差が開いていた。
TGR TEAM ZENT CERUMO はレー スがやや膠着しはじめた28周を終え、 立川をピットに呼び戻す。とはいえ、 ZENT GR Supra の背後につけていた #17 NSX-GT、#8 NSX-GT が25周を終えピットインしており、アンダーカットされてしまう懸念があった。
準備を整えていた石浦と TGR TEAM ZENT CERUMO は、アンダーカットされないように綿密に計算を行ったうえでのピットインだった。
この狙いは功を奏し、ピットの迅速な作業、そして石浦が履いたユーズドの ソフトタイヤの温まりの良さも手伝って、#8 NSX-GT に対してマージンを築いて4番手で石浦を送り出すことに成功する。しかし36周目、GT300クラスの #360 GT-R が接触によりスピンを喫し、13コーナーのコース中央でストップを 喫してしまったため、まさかのセーフティカー導入となってしまった。
上位は接近したものの、後続との差も近づいてしまい、せっかく築いたマージンが失われてしまった。石浦は 43 周目のリスタートの後、ふたたび前を追うが、今度は僚友 WAKO'S 4CR GR Supra を駆る坪井 翔が近づいてくる。石浦は必死に坪井を抑えるが、後方から好ペースで追い上げてきた WAKO'S 4CR GR Supra を抑えきれず、ペースが鈍っていた #100 NSX-GT との三つ巴のバトルの末、#100 NSX-GT こそかわしたものの、WAKO'S 4CR GR Supra の先行を許し、順位は4番手となった。
石浦はその後も粘り強く走行を続けたが、順位は変わらず4位でチェッカーを受けた。結果的には、GR Supra がトップ5を占め、ZENT GR Supra もその一翼をになうかたちにはなったが、やはり開発を続けてきたふたりにとっては、せめて表彰台で終えたかったレースだけに悔しさも残った。
しかし、新型コロナウイルスの影響によるタイトなスケジュールのなかで、 第2戦はまたすぐにやってくる。チームのホームコースである富士スピードウェイで、ふたたび TGR TEAM ZENT CERUMO はチーム一丸となって勝利を狙っていく。
立川祐路選手のコメント
石浦宏明選手のコメント
「朝はまだサーキットも濡れていたのでタ イヤ選択は悩みましたが、僕は公式予選に ソフトめのタイヤで臨みました。他車に引っかかってしまったりと、完璧なアタック ではなかったですが、Q1 を突破することは できたので、そこは自分の仕事ができたと 思います。レースでは、立川選手が走っているのをみて、少し苦しいのかな......と思っていましたが、タイヤ選択がうまくいき、僕に交代してからはアウトラ ップも早く、いい戦略を採ることができましたが、残念ながらセーフティカーが出てしまい、いまひとつかみ合いませんでしたね。今回はライバルに対してペースで劣る部分も見えたので、次戦に向けてどう改善するかが大事ですし、SUPER GT は開幕が4位だからダメか......といえばそうでもないレース。今回学んだことを次戦に活かしたいと思っています」
村田淳一監督のコメント
「GR Supra のデビューレースで、37号車、さらに GT300 でも優勝を飾ったので、まずはおめでとうございますと伝えたいですね。そのなかで我々が優勝とならなかったのは非常に残念ですが、それは足りない部分があったからだと思っています。全体的にスピードが足りない週末になってしまいました。ドライバーとエンジニアが頑張ってくれ、取り戻すことはできてはいましたが、上位を占めた GR Supra 勢の6台のうち4位ということなので、次戦富士に向けて車両のセットアップ、タイヤの見直しと、全体的に底上げをして、ライバルに追いつき、追い越せるように努力を重ねていきます。応援ありがとうございま した」
Rank | Car No. | CarName | Q2 Time | Q1 Time |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 1'26.550 | 1'27.052 |
2 | 8 | ARTA NSX-GT | 1'26.665 | 1'26.433 |
3 | 36 | au TOM'S GR Supra | 1'26.794 | 1'27.409 |
4 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 1'26.905 | 1'26.937 |
5 | 38 | ZENT GR Supra | 1'27.352 | 1'27.308 |
6 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 1'27.397 | 1'27.356 |
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 1'27.439 | 1'27.022 |
8 | 16 | MOTUL MUGEN NSX GT | 1'28.085 | 1'27.306 |
9 | 17 | KEIHIN NSX-GT | 1'27.421 | |
10 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 1'27.435 | |
11 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra | 1'27.452 | |
12 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 1'27.697 | |
13 | 64 | Modulo NSX-GT | 1'27.816 | |
14 | 12 | CALSONIC IMPUL GT-R | 1'27.968 | |
15 | 24 | REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R | 1'28.137 |
Rank | Car No. | CarName | Laps | Best Lap Time |
---|---|---|---|---|
1 | 37 | KeePer TOM'S GR Supra | 66 | 1'29.086 |
2 | 36 | au TOM'S GR Supra | 66 | 1'29.351 |
3 | 14 | WAKO'S 4CR GR Supra | 66 | 1'29.601 |
4 | 38 | ZENT GR Supra | 66 | 1'29.587 |
5 | 39 | DENSO KOBELCO SARD GR Supra | 66 | 1'30.313 |
6 | 100 | RAYBRIG NSX-GT | 66 | 1'29.478 |
7 | 3 | CRAFTSPORTS MOTUL GT-R | 66 | 1'30.517 |
8 | 8 | ARTA NSX-GT | 66 | 1'29.619 |
9 | 19 | WedsSport ADVAN GR Supra | 66 | 1'30.609 |
10 | 24 | REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R | 66 | 1'31.191 |
11 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R | 65 | 1'30.611 |
12 | 16 | MOTUL MUGEN NSX GT | 63 | 1'30.133 |
13 | 64 | Modulo NSX-GT | 62 | 1'31.371 |
17 | KEIHIN NSX-GT | 28 | 1'29.783 | |
12 | CALSONIC IMPUL GT-R | 0 |
「公式予選では Q2 を担当しましたが、ハードめのタイヤが想定よりも温まりが悪 く、思ったよりもグリップが出なかったのが少し悔しいところですね。決勝レースで は、なるべく序盤から順位を上げていこうと臨みましたが、もう少し順位を上げ、ト ップに食らいついて石浦選手に渡したかったところでした。その点は少し悔し いですね。正直、少しペースが足りませんでした。次はまた同じ富士スピードウェイでのレースですし、今回良くなかった部分をきっちりと修正して次戦に臨みたいと思います。応援ありがとうございました」