2020 AUTOBACS SUPER GT ReportFUJIMAKI GROUP SUZUKA GT 300km RACE
第3戦 鈴鹿サーキット

ZENT GR Supra
#38 立川祐路 / 石浦宏明

立川祐路 選手

⽯浦宏明 選手

レース情報

決勝8月22日(土) RACE
決勝結果 リタイア

予選3番⼿としっかりと戦える⼿ごたえを得て、待望の好結果へ向けて8⽉ 23 ⽇(⽇)の決勝⽇を迎えた TGR TEAM ZENT CERUMO。この⽇も気温32℃、路⾯温度48℃といううだるような真夏の⽇射しのなか、SUPER GT 第3戦の決勝レースのときを迎えた。

前⽇好感触を得た ZENT GR Supra だったが、チームは決勝に向けてさらなる味付けをほどこし、レース前のウォームアップ⾛⾏に臨んだ。ただ、ステアリングを握った⽴川はあまりいいフィーリングを受けることができなかった。

とはいえ、その的確なインフォメーションに基づき、レーススタートまでのわずかな時間に、チームは ZENT GR Supra にさらなるセットアップを⾏い、午後1時からの決勝スタートのときを迎えた。

スタートドライバーを務めるのは⽴川。直後の1コーナーを3番⼿で通過し、早くもトップを⾛る #64 NSX-GT、2番⼿の #23 GT-R に接近していく。しかし後⽅では GT300クラスの競り合いのなかでアクシデ ントが発⽣。オープニングラップにセーフティカーが導⼊されてしまう。

レースは5周⽬にリスタートが切られるが、⽴川は前を⾛る #23 GT-R に狙いを定めると、5周⽬の⽇⽴オートモティブシステムズシケインでズバリとインを差し、2番⼿に浮上。さらにトップの #64 NSX-GT に接近していった。

予選まで抜群のスピードをみせていた #64 NSX-GT のペースがどれほどのものなのか、事前には予想がしづらい⾯もあったが、11 周⽬、#64 NSX-GT と ZENT GR Supra、さらに3番⼿の #23 GT-R が急速に接近していく。⽴川にとっては千載⼀遇のチャンス。11 周⽬の⽇⽴オートモティブシステムズシケインで今度はアウトに ZENT GR Supra を振り、トップ浮上を試みた。

しかし、#64 NSX-GT とわずかに接触があったか、⽴川はたまらずグリーンに⾶び出してしまう。とはいえこのグリーンはそのまま抜けるものができるもので、ZENT GR Supra は直進すると、ダメージもなく #64 NSX-GT の前でコー スに復帰した。ただ、コースをショートカットしている状況であるため、チームからは無線に #64 NSX-GT の後⽅にマシンを戻すよう指⽰が⾶ぶ。

これでバトルは仕切り直し。12 周⽬には #64 NSX-GT がシケインで⽩煙を上げ、ふたたび ZENT GR Supra が接近することができたが、今度はGT300クラスの集団がGT500 クラスのトップ争いの前に現れる。混戦のなか、13 周⽬の NISSIN ブレーキヘアピンで、GT300マシンに詰まった⽴川を #23 GT-R がオーバーテイクしていった。

とはいえ、この状況は逆もまたあり得る。15 周⽬には混戦のなか、ダンロップコーナーで⽴川は #23 GT-R とともに #64 NSX-GT をオーバーテイクしふたたび2番⼿に浮上。

さらに⽴川の背後にいた WAKO'S 4CR GR Supra もこれをかわしていく。僚友 WAKO'S 4CR GR Supra とともに追撃の姿勢をとったかに 思われた ZENT GR Supra だったが、今度はペースに優る #100 NSX-GT が後⽅から迫ると、16 周⽬、2台に襲いかかってきた。

そんな16 周⽬、ZENT GR Supra に突如として異変が襲う。ヘアピンの⽴ち上がりで、2速ギアが⼊らなくなってしまったのだ。しかも折悪く、17 周⽬にはバックストレートに他⾞のパーツが⾶散し、2回⽬のセーフティカーが導⼊されてしまう。

レーシングスピードに上げられず、ミッションの状況を確認することもできない。⽴川は無線でピットと盛んに交信しながら、状況確認を⾏った。

この状況ではピットに⼊らざるを得ないが、セーフティカー中はピットインは不可能。さらにドライバー交代が可能な周回数も近づいてくる。レースが続⾏できる可能性も視野に⼊れ、チームはスタンバイを終えた⽯浦宏明に状況を説明。23周⽬のリスタートのときを迎えた。

しかし、バックストレートでセーフティカー解除に向け加速するはずが、 ZENT GR Supra のスピードは上がらない。⽴川がパドルシフトを操作しても、反応しないのだ。優勝を争えるポテンシャルはもっていたはずが、無念のリタ イアを決断せざるを得ない状況になってしまった。

⽴川は ZENT GR Supra をピットに戻すと、悔しい表情でマシンを下りた。第4戦からは、もう勝ちにいくしかない。TGR TEAM ZENT CERUMO は3週間後の第4戦もてぎでの逆襲を誓った。

立川祐路選手のコメント

「ひさびさに戦える⼿ごたえを得たレースで、序盤から雰囲気も良く、⾃分としても⾃信をもってレースを進めることができました。優勝を争える確信があっただけに、こういう結果に終わってしまったのは本当に残念です。まだ原因が分かりませんが、突然ミッションが壊れてしまった状況でしたね。正直、今回こそ……という⼿ごたえがあったレースだけに、ショッ クでした。まずは⼀度気持ちを切り替えて第4戦に挑みたいと思っています。とにかく勝つことを⽬指して頑張っていきたいです」

石浦宏明選手のコメント

「レース序盤から⽴川選⼿らしい⾛りをみせてくれて、フィーリングも良さそうでしたので、⼗分優勝を争えるポテンシャルがあると思っていました。また今季、GT300 で新しいドライバーも参戦していたりして、ふだん以上に危険も多いレースとなっていましたが、そのなかでも戦えるパフォーマンスはあると思っていました。セーフティカー前に、2速が⼊らないという連絡が⼊りましたが、2速がない状態で、しかもパドルシフトですので、⾶ばしシフトもできません。リタイアを決断せざるを得ませんでした。今回ポイントが獲れなかったので、次戦以降勝ちを狙うしかないと気持ちを切り替えています。ミスがあったわけではないと思いますので、チーム全員で前を向くことが⼤事だと思っています」

村田淳一監督のコメント

「ファンの皆さん、応援してくださる皆さんに申し訳ないレースとなってしまいました。序盤は⽴川選⼿のペースも良く、GT300の処理等で前にいかれることはあったものの、タイヤもセーブできていましたし、ライバルたちの前に出られるペースもあったと思います。それだけに残念ですね。またセーフティカーが⼊る直前のヘアピンで加速中に2速を失ってしまい、レーシングスピードではないので状況も分からないなかで、チームとしてもなんとか⾛って欲しいと続けましたが、結果的にSC明けに渋滞を作ってしまい、14号⾞をはじめ他 の⾞両には申し訳ないことをしてしまいました。今後こういうことが起きたときの対処を考えなければいけません」

決勝結果
Rank Car No. CarName Laps BestLapTime
1 23 MOTUL AUTECH GT-R 52 1'50.346
2 100 RAYBRIG NSX-GT 52 1'50.515
3 36 au TOM'S GR Supra 52 1'50.413
4 64 Modulo NSX-GT 52 1'50.096
5 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 52 1'50.831
6 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 52 1'51.137
7 37 KeePer TOM'S GR Supra 52 1'51.137
8 17 KEIHIN NSX-GT 52 1'51.242
9 14 WAKO'S 4CR GR Supra 52 1'50.935
10 19 WedsSport ADVAN GR Supra 52 1'50.893
11 24 REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R 52 1'51.296
12 12 CALSONIC IMPUL GT-R 46 1'51.290
13 8 ARTA NSX-GT 36 1'50.534
14 38 ZENT GR Supra 22 1'50.701
15 16 MOTUL MUGEN NSX GT 4 1'55.023
ポイントランキング
Rank Car No. CarName Point
1 36 au TOM'S GR Supra 41
2 37 KeePer TOM'S GR Supra 33
3 100 RAYBRIG NSX-GT 26
4 14 WAKO'S 4CR GR Supra 24
5 17 KEIHIN NSX-GT 23
6 23 MOTUL AUTECH GT-R 22
7 39 DENSO KOBELCO SARD GR Supra 17
8 38 ZENT GR Supra 12
9 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 12
10 64 Modulo NSX-GT 9
11 8 ARTA NSX-GT 4
12 19 WedsSport ADVAN GR Supra 3
13 12 CALSONIC IMPUL GT-R 2
14 24 REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R 1
15 16 MOTUL MUGEN NSX GT 0
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